Connecting the Dots

アメリカの公衆衛生大学院留学に関するブログです。

2018-01-01から1年間の記事一覧

ワクチンの話 ~Vaccine Hesitancyについて②~

Vaccine Hesitancy(ワクチン接種に対する躊躇いや拒否)について、前回(Vaccine Hesitancyについて①)の続きです。 『人々はなぜワクチンを打つのを躊躇うか?』 という問に対して、前回は1~3まで書いた。 1.ワクチン自体の成功 2.偶発的な時間的な…

ブログのタイトルを変更しました

この度ブログのタイトルを変更しました。 1年前にこのブログを始めた頃に書かせていただいた通り、このブログは主にMaster of Public Health(MPH)をはじめとした公衆衛生大学院(SPH)への留学を検討しているけど実際どうなんだろうと思っている人がこのブ…

ワクチンの話 ~Vaccine Hesitancyについて①~

先日”Vaccine Hesitancy”についてのレクチャーを受けた。Vaccine Hesitancyとは、ワクチンに対する”躊躇、ためらい、拒否”などのことだ。この内容についてまとめた講義を聞いたり勉強したことはなかったので、なるほどの連続だった。 特に印象に残った部分は…

意志の大切さ

これまで他の記事の直接の引用はしてこなかったが、少し感じることがあったので。 "東大・京大・早慶 一流企業のエリートが「日本ヤバイ」と言う理由”(現代ビジネス - 2018.12.14)という記事を読ませていただいた。 まず、記事の中で最も力点が置かれてい…

出願の季節

頻繁に更新するというわけにはいかなかったが、ブログを始めてからなんとかもうそろそろで1年というところまできた。(特に意味はないけど、、)よかった…。 今年も出願の時期に入っている。 多くの方にSPHで勉強してほしいなぁと思う。国内、海外問わず。 …

Paperlessな環境と勉強について③ ~ついに購入~

Paperlessな環境と勉強について①と②でも触れさせていただいたように、以前からタブレットの購入について悩んでいたのだが、先日とうとうI Pad Pro 2018(12.9インチ)を購入した。 元々I Padは一台持っていたのだが、確か6年くらい前のものだと思う。今回新し…

費用効果分析:CEA(Cost-Effectiveness Analysis)について③

ICER(Incremental Cost-Effectiveness Ratio)を算出する際の難しさについて。 前回CEAについて②の中で書いた通り、費用対効果を分析する際、分子にはCostの差、分母にはEffectivenessの差を記載する。 たとえば、治療Aと治療Bを比較する際は、 ICER for B …

費用効果分析:CEA(Cost-Effectiveness Analysis)について②

CEA、私がまだ奥深く理解していないだけなのかもしれないが、研究のゴールは複数の治療法やプログラムの効果とコストを数値化して比較するというもので、ICER(Incremental Cost-Effectiveness Ratio)を求めることが多い。 このICER、前回CEAについて①で書…

費用効果分析:CEA(Cost-Effectiveness Analysis)について①

費用効果分析(Cost-Effectiveness Analysis)について。医療におけるアウトカムを考える上で、コストを考慮に入れる重要性は今後益々高まっていくと思うので、この分野の勉強をしている。 医療経済評価についてはいくつかの手法があるようだが、メジャーな…

アメリカの中間選挙と医療政策

11月上旬にアメリカの州知事や上院・下院議員を選択するための中間選挙(Midterm election)が予定されている。前回の大統領選挙から2年、次回の大統領選挙まで2年。医療政策や公衆衛生関連の政策については、民主党(Demogratic Party)か共和党(Republica…

やり抜く力と適応させていく力

何かを最後までやり抜く力と、置かれた状況に自らを適応させていく力。 これらの重要性を、留学して以来頻繁に実感する。 最後までやり抜く力は”グリット”とも訳されるが、確かに留学して以来、目標を実現したり、成功をするためには才能と努力以外の要素(→…

やりたいことと、得意なこと

最近自分の得意なこと(と書くとやや言い過ぎかもしれないが…)と苦手なことが少しずつ分かってきたように感じている。もっと前から分かっててよ…というツッコミを受けそうだが、、実際にそのように感じている。 今学期、コースを5つとっているのだが、チャ…

Public Health/公衆衛生学の広さについて

留学生活が始まってから1年あまりが過ぎた。 Public Healthの様々な分野を勉強するにつれ、Public Healthがカバーする範囲がいかに広いかを実感している。私は日本で学生をしていたときに”公衆衛生学”という形で一応勉強したことはあったが、この1年でPublic…

SPHの授業 ~Biostatistics(生物統計学)のLab~

疫学と生物統計学のLabの様子を紹介したいと書いてから、だいぶ時間が経ってしまった…。 BiostatのLabは講義で学んだ内容について問題形式で理解を深めていくというものだった(おおかまには)。Epiと異なりDiscussion形式ではなく、講師(教授やTeaching As…

SPHの授業 ~Epidemiology(疫学)のLab③~

毎回苦労したEpidemiologyのLabだったが、この時間のおかげで疫学の重要なポイントを整理することができただけでなく、Discussionすること自体に慣れることができたと思う。それから、講義だとどうしてもインプット中心になるので、英語の各技能を自然に勉強…

SPHの授業 ~Epidemiology(疫学)のLab②~

今年は梅雨明けが早いようですが、アメリカ東海岸もとうとう真夏を迎えたようです。 この1年間、EpidemiologyのLabは予習も大変だったし授業(Lab)中も毎回Discussionについていくので必死だったが、この時間のおかげで様々な学びが深まったと感じる。疫学…

SPHの授業 ~Epidemiology(疫学)のLab①~

前回のブログ(~LectureとLab~)で少し紹介させていただいたが、SPHの中のいくつかのコースはLecture+Labで構成されている。もちろん、Public Health以外の大学・大学院でもLabはあると思うし、大学によって形式や時間設定等は異なると思うが、以下は私が…

SPHの授業 ~LectureとLab~

SPHの授業は、大きくLectureとLabに分かれている。Lectureは大きな教室だと200~300人くらいの学生が一緒に受けるものもあったが、10~20人くらいの少人数のクラスだとLectureといってもdiscussionが活発に行われるものもある。Labは、日本語に訳すと”実習”…

気持ちの再整理 ~海外のSPHを選択する理由~

近年、日本国内でもMPHを取得できる大学院が続々と開設されている。今後も多くの方々がPublic Healthの勉強に関心を持たれるのではないかと思い、Public Healthを体系的に学ぶ方法について改めてどういった基準で選択するのがいいか考えた。これまでも、~ア…

Paperlessな環境と勉強について②

授業に出る度にスライドや論文等の印刷を続けるのは現実的ではないと感じ、私もPC上に直接書き込む習慣をつけようと、Acrobat Proを購入した(studentだとdiscount priceで購入できる)。他の方法もあったのだが、ダウンロードしたPDFファイル(ほとんどのス…

Paperlessな環境と勉強について①

私が日本で学生だった頃はPowerpoint等のスライドを使用する授業が徐々に増えてきていた印象があるが、スライドの有無によらず、スライドを印刷したプリントや、内容に関連した資料が配布される授業が主流だった記憶がある。講義中は、配布プリントにメモを…

SPH関連の情報と簡単な振り返り

自分自身がSPH(公衆衛生大学院)に入ったからというのもあると思うが、1,2年前に比べて、最近はSPH, MPH関連の情報が得やすくなったように感じている。私もこのブログを始めたのは、出願や入学前後に感じたことなどを書き残そうと思ったというのもあるが、…

PresentationとSpeakingについて

年度末(4~5月)は特に忙しくなってしまい、中々更新することができなかった。 先日、これまで取り組んできたプロジェクトに関するプレゼンテーションが2つあった。1つはclass roomで行うプレゼンテーション(プロジェクターに写しながら行う、普通のプレゼ…

SPH留学 ~学校選択について~

最近、といってもこの2,3ヶ月くらいの話ではあるが、学校選択について複数の方からご相談をいただく機会があった。 ご相談をいただいた中で、私が実感していることは、 中々うまく答えられない… ということである。 留学する前よりは明らかに出願プロセスや…

School Visitについて

気がついたらもう4月。最近は来年度(今年の夏~秋)に入学する予定の学生たちのための、説明会のようなイベントが開かれている。 以下は、このようなイベントについてではなく、"School Visit"一般について思っていること。 私は主にTOEFL/IELTSの対策をし…

Writingの話 ~Paraphrase~

Writingの話。これは公衆衛生大学院(SPH)に限った話ではないかもしれない。 留学前、主にTOEFLやIELTSのWriting、Personal Statementを書いていたときに苦労したことはたくさんあるのだが、その中でも"paraphrase"(パラフレーズ=言い換え)にはとても苦…

専攻について2

MPHの話題と関係ありませんが、先週末からアメリカではDaylight savingが始まり、急に日が長くなったように感じています。 ところで、前回専攻について書こうと思ったのは、自分がSPHに入学する前に予定していた履修コースと、現在履修しているコースが少な…

専攻について1

公衆衛生大学院には、どの大学にもいくつかのDepartmentがある。細かい部分は大学によって異なる部分もあるが、大まかにはEpidemiology、Biostatistics、Environmental Health、Social and behavioral science、Health policy and management、Global health…

MPH留学 ~1年制 vs 2年制~

アメリカのMPHプログラムは2年制(9月頃から翌々年5月頃:約21ヶ月間)の大学が多く、一部1年(弱)や1.5年ほどなどに短縮したプログラムもある。私が知っている1年制のSPHの場合、入学から卒業までの1年間はほぼぎっしりカリキュラムが組み込まれている。在…

SPH留学 ~いつ目指すのがよいか~

公衆衛生大学院(SPH)への留学、具体的にいつ目指すのがよいか。アメリカの場合、MPHプログラムは2年以上の職務経験が必要とされる大学が多い(と認識しているが、大学によって異なるかもしれない)ので、大体若くて24歳くらいの入学となる。私の大学も、お…