Connecting the Dots

アメリカの公衆衛生大学院留学に関するブログです。

費用効果分析:CEA(Cost-Effectiveness Analysis)について①

費用効果分析(Cost-Effectiveness Analysis)について。医療におけるアウトカムを考える上で、コストを考慮に入れる重要性は今後益々高まっていくと思うので、この分野の勉強をしている。

 

医療経済評価についてはいくつかの手法があるようだが、メジャーなものがIncremental Cost-Effectiveness Ratio(ICER: 増分費用効果費)を計算し、それをもとに新しい治療法とかプログラムなどの効果を測定するというものだろう。

 

どういうことかというと、例えばこれまでのスタンダードな治療にAという薬を使っていたところ、新しくBという薬が登場した。このBという薬は、Aと比べると効果はありそうだが、とても高額である。ここでICERを計算する。分母に(BのEffectiveness - AのEffectiveness)、分子に(Bのコスト - Aのコスト)をもってきて、比をとるというものだ。ICERが大きいほど相対的に新しい薬であるBのコストがかかるということを意味するので、本当にBを導入していいのか…(保険診療の範囲にBを加えるのは妥当なのか…)という議論が生まれる。