Connecting the Dots

アメリカの公衆衛生大学院留学に関するブログです。

MPHをはじめとしたSPH留学を志そうか迷っている人へ3

自分の目標や関心のある分野が明確で、公衆衛生大学院(SPH)で学んだ内容が卒業後にこのように生かせるというイメージが固まっている人は迷わずに出願の準備をすればいいだろう。問題は、自分のやりたいことが明確にはなっていないが(またはどれくらい明確なのか自信がないが)、とにかく留学したい気持ちが強いという場合。日本にいてSPH(特にMPH)が留学の選択肢として浮上している方は、医療関係者か行政関係者が多いのではないかと思う。

 

この場合、留学をすること自体で得られるものも多いと思うので、できるだけ留学したいという気持ちは大事にして、留学の選択肢を吟味することと、自分のやりたいことをひたすら自分に問いかけることが重要だと思う。

 

もちろん、ある程度モチベーションが強くないと個人的にSPH留学はお勧めできない。授業料や生活費など、経済面の問題も去ることながら、1番の問題は授業がとにかく大変なのだ(もちろんこれは人それぞれ感じ方が異なるとは思うが)。私はまだ卒業したわけではないが、これまでも何度かとてもきつくて「ここが正念場だ」と言い聞かせながら過ごしてきた(卒業が近づくにつれ、これからさらに大きな山場が訪れる可能性があるのかと思うと…)。無事に単位をいただいたときの安堵感というと、日本の学生時代のときより大きいと感じている。

 

MPH留学に関連した他の選択肢として、医療関係でいえば、臨床留学、研究留学、大学院の他の専攻などが挙げられる。臨床については私は医師のケースしかよく知らないが、これについてはUSMLEの勉強法などをブログなどで書いている方がたくさんおられるので、そちらを参考にしてほしい。研究については、私は申請などをしていないので詳しいことはよく分からないが、大学院に入らずに研究室に直接入っている方もたくさんいる。研究テーマがはっきりとしている場合は、SPHに入ってしまうと自分の関心のない分野もたくさん勉強することになり、少し遠回りになってしまうかもしれない。もちろん、疫学や生物統計学等の授業を通して、研究の手法など、系統的に重要な事柄を学ぶことができるのはSPHのメリットだとは思う。大学院の他の専攻については、もしも”政策”に興味があれば公共政策大学院が、”経営やマネジメント”に関心が強ければ経営大学院(ビジネススクールMBA)を検討する価値はあるだろう。また、病院経営に強い関心があればMHA(Master of health administration)という学位も存在する。尚、SPHといってもMPH以外に複数のカリキュラム(学位)を提供している学校は多い。例えば、疫学を中心に勉強したい場合はMSやMSPHのEpidemiology専攻など、MPHに出願する前に他の選択肢を探ることも必要かもしれない。MPHはprofessoinal(医療機関や行政機関などの現場で働く人)向け、MSPH, MSはresearcher向けという話を聞いたことがあるし、実際学生もresearchを中心にキャリアを考えている人が多いのかもしれないが、少なくとも私が今学んでいる大学院では、MPHもMSPHも授業が重なっているケースが多く見受けられる。